こんにちは!七匹の猫と一児の母のカリママです。
「PCS(ピーシーエス)」という言葉を聞いたことはありますか?
アメリカ軍人のパートナーを持つ方なら、この3文字を見ただけで「ついに来たか…」と少し身構えてしまうような、切っても切り離せない存在です。
我が家も先日、このPCSのオーダーを受け取りました。
毎回のこととはいえ、やはり「これからの生活がガラリと変わるんだ」と実感する瞬間は、頭の中が真っ白になり、大きな波に呑まれるような感覚になります。
今回のPCSでは、我が家にとってかなり大きな「ある決断」をすることになりました。
その決断に至るまでのプロセスや葛藤は次回の記事でお届けしたいと思います。
まずは「そもそもPCSってなんなの?」「普通の転勤と何が違うの?」と思っている方に向けて、今回はミリタリーファミリーの宿命でもある「PCS」の基本について分かりやすく説明していきます。
そもそも「PCS」ってなに?
「PCS」とは、Permanent Change of Stationの略で、日本語では「永久転属指令」などと訳されます。
要するに「軍の命令による引っ越し・転勤」のことなのですが、一般企業の転勤とは少しスケールや仕組みが異なります。
ミリタリーライフでは同じ場所にずっと留まることは珍しく、多くの場合、2年から4年ほどのサイクルで新しい基地や任地への移動命令(Orders)が下ります。
しかもその規模は結構大幅で、同じ州内での移動にとどまらず、アメリカの東海岸から西海岸へ、時にはアメリカ本国を飛び出して日本やヨーロッパなどの国外へ移住することも珍しくありません。
そして何より大変なのが、移動の時期や行き先を自分たちのタイミングで選べないという点です。
なぜなら、すべては「軍の都合(ニーズ)」によって決まるため、心の準備ができる前に突然オーダーが届き、一気に生活環境が変わるということもあります。
- 数年ごとにやってくる異動(引っ越し)
- アメリカ国内だけでなく国をまたぐこともある
- 自分たちのタイミングでは選べない
PCSが決まってから移動するまでの大まかな流れ
PCSのオーダーを受けてから実際に引っ越すまでには、荷物をまとめるだけにとどまらない、膨大な手続きと準備が待っています。(これまた大変です。)
まず命令書が発行されたら、海外移住や特殊な任地の場合、家族全員が健康面やメンタル面でその土地での生活に耐えられるかをチェックする「EFMP(Exceptional Family Member Program)スクリーニング」や医療審査を受ける必要があります。
さらにペットがいる家庭にとっては、ここが最大の難所と言っても過言ではありません。
搭乗できるフライトの手配や各種予防接種、マイクロチップの確認、渡航先の検疫手続きなど、数ヶ月単位で綿密な準備が求められます。
これらを揃えつつ、軍の提携業者を手配して家中の荷物(HHG / Household Goods)の梱包・搬出スケジュールを組み、今住んでいる住居の退去手続きと新居の確保を同時に進めていきます。
そして最終的に、車もしくは飛行機で新たな任地へと向かうことになります。
シンプルなプロセスに見えますが、直前までスケジュールが確定しなかったり、提出書類の不備で手続きがストップしたりと、想定外のトラブルに振り回される可能性もあるのがPCSです。
ミリタリーファミリーにとってのPCS
PCSは、単に「引っ越す」だけのイベントではありません。
家族全員のライフスタイルに大きな影響を与える転換点でもあります。
新しい土地で新しい出会いや発見がある反面、それまで時間と手間をかけて築いてきたコミュニティや友人関係を、一度リセットしなければなりません。
特に子どもがいる家庭は、学校の転校や習い事のやり直し、仲良くなったお友達とのお別れといった変化にどう寄り添うかが大きな課題になります。
また、パートナー自身の仕事やキャリアをどう継続するのかという悩みも、PCSのたびに付いて回ります。
だからこそミリタリーファミリーにとってPCSは、毎回ただ言われた通りに引っ越すだけでなく、「これからどう家族として暮らしていくのか」「今回は家族全員で移動するのか、それとも別の選択をするのか」という大きな決断を迫られる瞬間でもあるのです。
まとめ
数年ごとにやってくるPCSは、単なる引越し作業にとどまらず、これまで積み重ねてきた日常や人間関係、家族の形を大きく揺さぶる人生のターニングポイントでもあります。
オーダーひとつで生活が一変する環境の中で、手続きに追われ、不安と闘いながら家族や自分の生活を守り続けているミリタリーファミリーのみなさん、本当に毎日お疲れ様です。
予期せぬ変化に振り回されることも多いミリタリーライフですが、それぞれが自分たち家族にとって一番納得できる形を見つけながら、少しずつ前に進んでいけたらいいですよね。
不安になることも多いけれど、あなたとご家族の選択が、いつも一番の正解です。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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